HEROs AWARD 2022

堀 由美恵

陽けたら海へ
PROJECT OVERVIEW
陽けたら海へ(略称:あけ海)では、耳の聴こえない子供たちをはじめとする多くの子供たちへ、海を通じて挑戦することの大切さを伝えながら、“聞こえる人も聞こえない人も笑顔でいられる社会の実現“を目指した活動を行っている。
2歳の時に両耳の聴力を失った、代表の堀氏。 「聴こえないこと」へ悩みを抱えながらも、18歳の時にボディボードの出会いを通じて、聴こえないことを「障がい」ではなく「個性」と思えるようになったという。
引退後は、自身が海で学んだことを多くの方に伝えるために、サーフィンスクール等の活動を開始。東日本大震災の復興支援活動を進めながら、2021年に一般社団法人陽けたら海へを設立。当団体が生み出したデフノーマライゼーション(デフ=聴覚障害者/ノーマライゼーション=一般化)の実現を目指し、ボディーボードのスクールやコンテスト、手話講座など様々な取り組みを行っている。スクールで挑戦心や達成感を学ぶだけでなく、コンテストで悔しい・嬉しいという思いを経験することで子どもたちの自己肯定感や向上心を養っている。
また、取り組みをより身近で経験しやすいものにするために、地域やメディアを巻き込みながら、デフリンピックにボディボードが競技として採用されることを目指し、
まずは開催が決まった2025東京デフリンピックに多くのボランティアを送り出せるように努力している。
受賞部門

アスリート部門

プロジェクト名

陽けたら海へ

取り組む社会課題

聴覚障がい者の方々が「障がい」を個性だと思える社会の実現
聴覚障がい者への理解促進、偏見・差別のない社会の実現
被災地支援
手話の普及

目標/ミッション

デフノーマライゼーションの社会の実現(陽けたら海へ が生み出した、デフ=聴覚障がい者、ノーマライゼーション=一般化/共生できる社会を目指したいという思いを込めた造語)

活動開始時期

2012年~(団体設立2021年3月31日~)

WEBサイト

https://akeumi.or.jp/

MOVIE & PHOTOS

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審査員・アンバサダーコメント

中江 有里
女優・作家
昔、日本語手話を習った際に「手話は文化」だと感じました。日本の歴史や生活に根差したところから生まれた手話は、継承されるべき文化です。
話し方に個性があるように、手話にも個性があります。生まれも育ちもひっくるめて個性で、どれもかけがえのない個性。堀由美恵さんという個性から始まった活動は、耳の不自由な子どもと、聞こえる子どもたちとも分け隔てなく輝ける世界を目指しています。こうした活動が他のところにも波及していくようなロールモデルになっていただきたいです。そして堀さん自身の輝きが、今は光が当たらない人を照らす役割を担ってくれることを期待しています。
奥野 史子
アーティスティックスイミング/スポーツコメンテーター
受賞の際に、堀さんが仰っていた「障害がある人もない人も同じように一緒に活動する」ということが、実は一番ダイバーシティの基本だと感じています。しかし堀さんの活動を拝見すると、自分にもまだどこかでアンコンシャスバイアスをかけて見てしまっていることに気づかされたと同時に、そういったものを取り払える手段がスポーツだと再確認しました。 受賞されているのを見ながら、思わず涙が溢れてしまいました。堀さんの取り組みからヒントを得たので何か一緒に進められたらと思います。 この度は本当におめでとうございました。

受賞者コメント

堀 由美恵
この度はHEROs AWARDに選出して頂き、ありがとうございます。

2歳の時に両耳、進行性の感音性難聴で、重度の聴覚障がいだとわかりました。
私には聞こえる姉、弟がいる3人姉弟で、母は姉弟全て同じ環境で育てたいと言う思いがあったので、午前中は健常者と同じ学校で過ごし、午後は他校にある「聞こえの教室」へと2つの学校に通わせました。健常者の学校に行くには「聞こえの教室」に通う事が条件だったのです。

母親は私を信じ、厳しく、挑戦する環境に飛び込ませてくれました。
「聞こえないことで出来ないと言われたら、あなたにしか出来ないことを探して周りの人に見せてあげなさい。聞こえなくても出来るんだってことを」
18歳の時に海に出会い、誰にでも平等にくる波に感動して、
「この世界で生きていこう!」そう決めて、母のくれた言葉を胸にいくつもの壁を乗り越えていくことができました。

だからこそ、HERO's AWRDを通して沢山の障がいを持つ方にこのバトンを渡したい。
「聞こえないことは宝物であり、障がいは素敵な個性である」というバトンを。
その先には必ずノーマライゼーションの世界が広がっています。そんな素敵な世界を皆様と一緒に作っていけることが私の人生の使命だと思っております。
海とボディーボードと私の「障がいという個性」を通して、これからも応援をお願いいたします。この度はありがとうございました。

WINNERS 2022