12月9日(月)HEROs AWARD 2019を開催した。HEROs AWARDとは、年に1度公益財団法人 日本財団がスポーツの力を活用した社会貢献活動を表彰する場である。誰かのため、社会のため、子どもたちの未来のため、競技場の外でもスポーツマンシップを発揮しているアスリートや団体に注目し、称え、支えることを目的に開催している。今年は、5つの社会貢献活動がHEROs AWARDを受賞した。本AWARDには、55競技から総勢105名の現役・元アスリートが出席し、今年の受賞者を祝った。

今年の受賞者にはサッカー元日本代表の巻誠一郎氏、アトランタ五輪競泳日本代表の井本直歩子氏、日本障がい者サッカー連盟の北澤豪氏、Sport for Smileの梶川三枝氏が選ばれ、特別賞として柔道教育ソリダリティーから山下泰裕氏が表彰された。

4つのHEROs AWARD 2019受賞者の中で最優秀賞にあたるHEROs OF THE YEARは、北澤豪氏が会長を務める一般社団法人日本障がい者サッカー連盟による「サッカーを通じた共存社会づくり」に決定した。

日本財団 笹川会長によるHEROs OF THE YEARトロフィーの授与

北澤氏へのインタビュー
Q.HEROs of the year賞に選ばれての感想
A. びっくりしました。登壇していたほかの受賞者の話を聞いて、団体を強化するためにはまだまだ自分には知識や知見が足りないと思い、この後、会場にいる人たちにリサーチをしようと考えていたくらいだったので、この賞は本当にありがたいです。障がい者サッカーの選手も会場に来ているので、選手にとってもモチベーションになったのではないかと思います。

Q.改めてHEROsはアスリートにとってどんな活動ですか。
A. スポーツ選手という存在は憧れる存在ですが、ただ競技のレベルが高いというだけが理由ではなく、社会にフィードバックできる何かがある、ここが大切ではないかと思います。だからこそこういった好循環を生み出すことが次世代を作ることにもなると思うので、我々の取り組む障がい者スポーツの分野においてもしっかり向き合うことに変わりはないです。

Q. 改めて北澤さんの活動、どのような社会を目指していきますか。
A. ごちゃまぜの社会を目指していきたいですね。すべての障がいを持った方たち、健常者も平等に一緒になってサッカーをしています。それが我々にとってこれから必要であろう社会のあり方かなと思うので、スポーツを通じて共生社会の実現につなげていきたいです。また2020年は大きなきっかけになるので、スポーツを通じて幸せな社会づくりができればとも考えています。

HEROs AWARDに出席したHEROsアンバサダー(東俊介氏、井上康生氏、上原大祐氏、大林素子氏、河合純一氏、佐藤琢磨氏、中田英寿氏、長嶋万記氏、根木慎志氏、松下浩二氏)

◆HEROs OF THE YEAR
一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF) 「サッカーを通じた共存社会づくり」
・健常者と障がい者のサッカーの連携をはかり、障がい者サッカーの社会的価値の創造と、障がい者を取り巻く社会課題を解決し共存社会の実現に取り組む。

◆HEROs WINNER 2019
巻誠一郎氏 「YOUR ACTION KUMAMOTO」
・元サッカー日本代表の巻氏は、自身の故郷である熊本で発生した熊本大地震において、支援物資の確保や被災地訪問、正確な情報発信など、復旧・復興に尽力し、現在も風化防止に努めている。

井本直歩子氏 「紛争・災害下の子どもの教育支援」
・世界各国の紛争及び自然災害直後の地域における、子どもたちへの教育の保障や、難民として暮らす子どもたちに対する教育及びスポーツ支援の実施。

一般社団法人Sport for Smile 「スポーツメンタリング」
・DV被害者家庭の子どもたちの傷ついた心をスポーツを通じて回復させ、子どもらしくいられる場を提供することで、自信をつけ、人を信じる力を身につけるスポーツメンタリングプログラムの実施。


◆特別賞
認定NPO法人柔道教育ソリダリティー 「柔道で育む国際友好プロジェクト」
・柔道による異文化交流事業、国内外における青少年育成事業、海外へ柔道用具の無償配布を実施。

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