アスリートが“特別な体験”を提供し、参加を希望するファンから寄付を募る『HEROs DREAM』に、バドミントン日本男子の新エース 奈良岡功大選手が参戦しました。
昨年、21歳という若さながら世界ランキング47位から6位へと大躍進し、日本勢最上位に。2021年には世界バドミントン連盟年間アワードにて将来有望な選手に贈られる「Most Promising Player賞」を受賞するなど注目が高まっています。
今回、三笘薫選手(サッカー)に続き“バレンタイン企画”として実施。抽選で選ばれた5名のファンが奈良岡選手と10分間オンラインで対面。さらには、奈良岡選手からのメッセージ付きチョコレートがプレゼントされました。
本企画は、寄付連動型プログラム『HEROs DREAM』の一環として実施されました。集まった寄付金は、日本財団が進める『子ども第三の居場所』や『難病児支援』などのプロジェクトを通じ、さまざまな困難に直面する子どもたちの支援のために活用されます。
(子どもサポート基金:https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/child_support)
このような社会貢献活動への参加は初めてだったという奈良岡選手。参加を決めた背景には、「子どもたちに夢を与えたい」という思いがありました。
「諦めずに続けていれば、結果につながる」
「天才でなくても世界を相手に勝てるんだと証明したいんです。子どもたちに、夢を与えられる存在になりたいと思っています」。
2004年アテネオリンピックで金メダルを獲得したタウフィック・ヒダヤット(通称:タフィ)選手に憧れて、「自分も世界一になりたい」と決意した奈良岡選手。昨年、世界ランキング6位となり、目標が現実的なものになってきました。今や自身が“目標とされる” 立場となり、「次は自分が追いかけられる存在になっていきたい」と強く口にします。
しかし、奈良岡選手が歩んできた競技生活は順風満帆ではなく、バドミントンを辞めたいと思ったこともあったそうです。
「海外での試合に勝てず、つらい時期がありました。周りについていけないのが悔しかったです。それでも、バドミントンが好きなので諦めたくなくて……。できるところまでやりきろう、と。動画を見て研究し、トレーニングを続けた結果、成長することができました」
奈良岡選手の原動力となったのが “バドミントンが好きだ”という気持ちであり、その気持ちと向き合い続けたからこそ今があります。自分を信じて夢を追い続けたことが、昨年の飛躍に繋がったことは間違いありません。
昨年の成長ぶりに驚いていたと話す参加者(30代男性)から「一番成長したと感じているところは?」と聞かれると、「トップ選手の速い球に慣れたこと」と返答。「新型コロナウイルスの影響で1年間くらい試合がなかったとき、フットワークやウェイトトレーニングなどの練習を重ねました。すると速い球にも対応できるようになったんです」と急激なステップアップの裏側にある努力を明かしました。
どんなきっかけでも、バドミントンを知ってほしい
HEROs DREAMへの参加は、奈良岡選手にとって新たな挑戦でした。「普段ファンの方と話す機会があまりないので、楽しみでした。実際お話をしてみて、僕のことを本当に熱心に応援してくださっている気持ちが伝わって。頑張らなければと、強く思いましたね。僕が何かを与えなければいけない立場だったと思うのですが、むしろ僕が元気をもらいました」。
オフコートでの自分をもっと知ってもらいたいという思いも。「バドミントンをしている時は、真剣な表情をしているからか、怖いイメージを持たれることも多いんです(笑)。でも、そうではないということも知ってもらいたいと思って臨みました」。
小学校で先生をしているという参加者(20代女性)は、「これまでの試合での心境を直接お伺いできて貴重な機会でした。子どもたちにもバドミントンや奈良岡選手について話したいと思います」と口にしました。
どの参加者からも挙がったのは“昨年の成長の裏側を知ることができた”という感想です。奈良岡選手の思い通り、自分自身について知ってもらう機会にもなっていたことは間違いありません。
今後は競技外でもさまざまなことに挑戦していきたいと、奈良岡選手は言います。「自分の活躍をさらに多くの方々に知っていただきたいですし、どんなきっかけでもいいので、バドミントンの面白さを知ってもらいたいですね」。
アスリートだから見せられる背中で、世の中を動かしていく
今回の参加者にはバドミントン経験者が多く、奈良岡選手へプレーや試合での対応法についての質問が飛び交いました。
数年前にバドミントンをはじめたという11歳の男の子は、「奈良岡選手のようにラリーを続けられる選手になりたいです」と話しました。奈良岡選手が大切にしている“とことん諦めないプレー姿勢”がファンにも伝わり、具体的な目標設定の機会を与えられていることを伺えた瞬間でした。
さらに、家族ぐるみでバドミントンをプレーしている30代の男性からは、子ども支援への寄付企画に共感したという声もありました。「息子が不登校になったときに支援を受けた経験があったので、少しでも恩返しができればと思い参加させていただきました。自分たちだけではどうにもならない場面があり、カウンセリングなど手を差し伸べていただきとても助かりました。バドミントンをしている息子が、奈良岡選手から受ける影響も大きいですし、これからも夢を与える存在としてさらなる活躍を期待しています」。
さらに「アスリートが企画を実施することで、子ども支援の活動についてファンが知るきっかけにもなると思います。家庭環境の難しさからスポーツに取り組めない子どもたちもいるので、そういった支援もあればいいなと感じています」と、影響力のあるアスリートが社会課題に関わることで、社会貢献活動の輪が広がっていくことへの期待を口にしました。
奈良岡選手の母校である青森県立浪岡高等学校出身の学生も参加していました。「奈良岡選手のInstagramで、企画について知りました。バドミントンでもトップでありながら競技外でも活動していてすごいと思いましたし、これからも活躍を期待しています」。
最前線で勝利を目指して戦い続けるアスリートだからこそ、伝えられるメッセージがある。今回のDREAM企画は、参加者にとって夢や目標に向かって突き進む原動力となっただけでなく、子ども支援についての関心という気付きも与えた貴重な機会となりました。奈良岡選手にとっても、新たな一歩を踏み出すきっかけとなったことでしょう。
アスリートの競技内外での活躍・活動が、ファンをはじめとした一般の人々の考えと行動を変容させていく。そんな未来を目指し実施される、次のDREAM企画にもぜひご注目ください。