代表者
笹原 龍
プロテニスプレイヤー
一般社団法人プロテニスリーグ機構 プロジェクトアドバイザー
三菱総合研究所アスリートFLAP支援事業 事業推進ディレクター
1992年宮城県生まれ。
19歳からアメリカに拠点を移し世界各国を転戦。
海外を拠点に活躍する傍ら、国内ジュニア選手が海外でチャレンジできる機会をつくるために自身のアカデミーを招待するなど「世界で戦えるジュニア」の育成に励むとともに、国内でのテニス普及活動にも精力的で、数々のメディアに出演やSNSでの情報発信に積極的に取り組む。
2022年一般社団法人RSEを設立し、代表理事に就任。
メッセージ
私、笹原龍にとって、2011年が人生の転機でした。
そう、東日本大震災です。
東北高校を卒業し、大学にテニスの特待生として進学する直前に被災。
大学に行けない時期にランキングアップを狙って国内大会に望んでいると、「アメリカを拠点に活動しないか」と海外からのスカウトがありました。
国内大会優勝という条件をクリアし、ツアーに参加して腕を磨きはじめました。
その後も、欧州のコーチから現地に住む日本人の子どもたちへの指導を依頼されて渡欧。
さらに自身の活動の幅を広げるべく、 欧州各国で子どもたちの指導や、プレイヤーとして、ツアーに参加してきました。
海外文化に身を置いていると、日本がどれだけ恵まれているかにも気づくことになります。
中南米に遠征した際、テニスボール1個の値段が、現地の高級レストランでの一食と同じくらいだったことも日常茶飯事です。
その衝撃を胸に、発展途上国へテニスボールの寄贈なども行ってきました。
また、プレイヤーとしてさらなる高みを目指して、2019年頃からコンパクトコートでプレーする「タッチテニス」に挑戦してきました。
国際大会での優勝という確かな実績を残し、2020年のウィンブルドン大会への出場権を得たものの、残念ながら世界的パンデミックにより中止となってしまいましたが、世界の一流プレイヤーたちから学んだ技術、そしてなによりも貴重な経験、体験を、未来をつくる子どもたちに伝えていきたい、グローバルスタンダード(世界基準)をその肌で体感してもらいたいと思って活動を始めました。
実際、コロナ禍での日本滞在中に実施した各地でのイベント(高速道路のサービスエリアや大型ショッピングモールなど)を実施した際に、震災を知らない子どもたちも多くなってきていること、ひしひしと実感させられました。
小学生は全員、震災後に産まれているのですから。
3.11 からまもなく13年。

震災の記憶が風化しないよう、オリジナルグッズの配布などを通じて啓発活動も行っています。
被災経験がある自分だからこそできることを。
そして、世界を知る自分がからこそできることを。
いや、自分にしかできないことを。
これまでのさまざまな個人での活動を経て、2022年、一般社団法人 RSE を設立し、代表理事に就任。
東日本大震災で甚大な被害のあった被災地であり、私の出身地でもある宮城県を皮切りに、全国へ活動を波及させていくため、「宮城スマイルプロジェクト」を発足しました。

主な事業

体力低下が進む子どもたちへ運動機会および防災情報を提供するためのイベントの開催

目的
東日本大震災という未曾有の大災害からまもなく13 年。
2022年3月には震度 6 強の大地震がまた宮城を襲い、当時の記憶がフラッシュバックしました。 復旧から復興へ尽力するさなか、コロナ禍へ突入。 生活様式の大きな変化に、大人ですら戸惑う中、幼少期の貴重な数年が失われた現状に胸が痛みます。
そんな子どもたちに、笑顔を。
スポーツを通じて、ワクワクするコンテンツを提供したい。
その熱い想いが、宮城の、東北の、そして日本の未来の活力になると信じ、賛同するメンバーによるプロジェクトです。
事業内容
1. テニス、テニピンといったラケットスポーツを中心として、さまざまなスポーツの体験イベントの開催
テニス以外のアスリートもゲストとして積極的にご招待します。
2. 未来を支えるジュニアの指導者育成
各イベントには、競技実績のあるジュニアたちも同行し、子どもたちへのコーチングの経験を積んでいきます。
3. 東日本大震災に関連する防災情報提供
すでに小学生は全員震災後に生まれた子どもたちです。
私たちの重要な歴史として風化させないよう、スポーツを通じて、語り継いでいきます。
目標
(本年度の目標)
まずは、運動機会の創出が目的です。
コロナ禍を経て、アクティビティが制限されてきました。
実際に学校の体育の授業でしか、体を動かさないという子どもも増えています。
特に宮城県は、全国的に見ても子どもたちの体力低下が著しく、県としても課題感を持っているようです。
そのような子どもたちに、プロと一緒に体を動かし、普段できない体験をしてもらうことで、スポーツの楽しさに気づいてほしいと思っています。
また、過去のアンケートなどから露呈した問題として、親がテニスを習わせたいと思って用具を揃えても、「子どもたちに興味をもってもらえない」「あまり続かない」という声も多く聞かれました。
そこで、気軽に、手ぶらで体験できるイベントを開催し、まずは知ってもらう、ラケットに触れてもらう機会を提供します。
さらに、低学年向けコンテンツとして、ラケット入門ともいえる「テニピン」も導入。
ラケットを握るより前の、手でボールを“つかむ”感覚を養うことで、競技への興味関心を醸成します。
実際、2022年度に実施したイベントのアンケートを分析しても、ラケットスポーツの体験は非常に需要があることがわかっています。
継続した実施が、ラケットスポーツ(テニス)の普及はもちろん、子どもたちの健康増進につながると確信しています。
1. イベントの実施
・ 4 回以上のイベント実施
・ イベント参加者総数 200 名以上
・ アンケート調査による NPS スコア 30 以上
*「NPS.(ネット・プロモーター・スコア)」とは 企業や商品・サービスに対する顧客の愛着度を表した指標のことです。
この指標を用いれば、顧客と企業や商品・サービスとの接点における、顧客体験の評価や改善に活かせます。
(来年度以降の事業全体の目標)
宮城県だけでなく、全国へ活動を広げていきます。
また、サッカー・ラグビーなど他競技と連携していくことで、参加者の満足度を高めるとともに、HEROsにかかわるアスリートの皆さまにもゲスト講師として積極的に参加していただく予定です。
当活動については、地上波放送などメディア露出も増えており、引き続きメディアバリューを創出していきます。
主な成果