HEROs AWARD 2019
井本 直歩子
PROJECT OVERVIEW
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世界各国の紛争及び自然災害直後の地域における、子供たちへの教育の保障
難民として暮らす子供たちに対する教育及びスポーツ支援 |
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受賞部門 |
女性部門 |
プロジェクト名 |
紛争・災害下の子どもの教育支援 |
取り組む社会課題 |
紛争地に暮らす子どもは、保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取、HIV/エイズ、など様々な問題に常に直面していますが、特に教育の機会を失ってしまった子どもの数は約2700万人と言われています。紛争のために、ある一定期間、教育を受けられなくなるだけでなく、学校に行っていない期間が長くなればなるほど、その子どもたちが学校に戻る可能性も低くなっていきます。そうして、学校に行ったことがない子ども、小学校さえ卒業できなかった子どもが増えると、その子どもたちの将来に係わるだけでなく、その地域や民族の将来の繁栄や、紛争のない社会の創造に大きな影響を与えます。 |
目標/ミッション |
すべての子どもたち、特に、最も脆弱で、最も不利な立場に置かれた子どもたちが、生き延び、健やかに成長するための平等な機会を得られる世界、平和な世界の構築を目指す。 |
活動開始時期 |
2003 年~(継続中) |
WEBサイト |
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審査員・アンバサダーコメント
萩原 智子
水泳/シドニー五輪競泳日本代表
この度は、HEROs AWARDの受賞、おめでとうございます。
井本直歩子さんは、私にとって水泳の大先輩です。同時に憧れの大先輩でもあります。
水泳のキャリアを終えられてからも世界を舞台に活躍されている姿を見て、後輩として誇りに思うと共に、沢山の学びをいただいております。
紛争地域における子どもたちへの様々な教育支援は、想像を絶する苦労を重ねてこられたと思います。子どもたちの笑顔を作り出すためのご尽力、心から尊敬します。
今後も「紛争支援の世界一を目指す」井本さんの活動から、沢山のことを学ばせて頂きたいです。
ぜひ日本の子どもたちにも、紛争地域の子どもたちの現状を伝えて頂きたいと切に願います。
受賞者コメント
井本 直歩子
この度は、栄えあるHEROsアワードを賜り、大変に感激しております。ご推薦頂いた方、選考委員の方々に感謝申し上げると同時に、現役選手時代、学生時代より現在まで私の活動を支えて頂いた本当に多くの方々に、決して言葉では言い尽せませんが、最大限の感謝を申し上げたく存じます。
選手時代、家族やコーチを含む周りの方々に大変恵まれた環境を与えて頂いていた自分と、同じ競技の舞台に立っているアスリートが、同じスタートラインに立っていない現実を目の当たりにし、現在の活動を志しました。自然災害や紛争、また極度の貧困下に生まれた子どもは、選んでそこに生まれてきたわけではないのに、教育を受ける機会、スポーツをする機会を奪われています。そんな不公平を是正するべく、これからもより一層精進していきたく存じます。
又、スポーツが与える無限の可能性を、社会貢献の場に活かすというHEROsの活動に大いに賛同し、今後微力ながらお手伝いさせて頂きたく思っております。
この度は本当に、素晴らしい賞と機会を、ありがとうございました。
選手時代、家族やコーチを含む周りの方々に大変恵まれた環境を与えて頂いていた自分と、同じ競技の舞台に立っているアスリートが、同じスタートラインに立っていない現実を目の当たりにし、現在の活動を志しました。自然災害や紛争、また極度の貧困下に生まれた子どもは、選んでそこに生まれてきたわけではないのに、教育を受ける機会、スポーツをする機会を奪われています。そんな不公平を是正するべく、これからもより一層精進していきたく存じます。
又、スポーツが与える無限の可能性を、社会貢献の場に活かすというHEROsの活動に大いに賛同し、今後微力ながらお手伝いさせて頂きたく思っております。
この度は本当に、素晴らしい賞と機会を、ありがとうございました。
近代五輪憲章 オリンピズムの根本原理★をまさに体現・実証した本来オリンピアンのあるべき姿であると同時に、スポーツを通じた社会・教育・経済活性というテーマに際し、大切な原理原則に気づかせてくれる生き方であると言えます。以下、この2つの観点で詳述。
(競技スポーツを通じたキャリア形成という観点)
・競技スポーツに打ち込む中で培っていった自らと向き合い続ける姿勢
・国際大会を通じて、他者と向き合い、海外の現実を感受していく感性
・こうした自他との向き合いの中で、志が定まり、行動に変わっていく有様
・極めて過酷な困難や危険を伴ういかなる赴任地でも、結果を出し続け、キャリアを積み上げていく姿
これらは、「体験・内省・考察・試行」(組織行動学;体験学習モデル)の繰り返しを通して、常に目的が目標になりながら自分で自分を高め、成長させ続けていく生き方であり、本来競技スポーツを通して誰もが培えるはずの本質的な思考サイクルとキャリア形成であり、まさに手本となるロールモデルであるといえます。
(競技スポーツを通じた社会・教育・経済活性という観点)
昨今、様々な意味でのスポーツマネジメント、スポーツビジネスという言葉が飛び交い、ややともすれば「競技スポーツ」が目的化しがちな世相の中、目的ではなく手段としてのプロデュースの在り方に一石を投じた活動であるともいえます。
彼女の活動は、赴任した国の人々のためであると同時に、日本では知らないまま見過ごされがちな「海外のさまざまな現実」へと目を向かわせるものでもあり、スポーツを通じた青少年教育、国際交流、更にそれを通じた国際貢献や社会・経済活性のあるべき姿としては、ともすれば最も生産性の高い、最短距離の方法が提示されているようにも受け取ることができ、今後のわが国におけるスポーツを通じた地方創生や地域活性等に対し、極めて有効な示唆を与えてくれている活動であるといえます。
★参考★「オリンピック憲章内『オリンピズムの根本原則』の条文1と2を抜粋」
1. オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、 バランスよく結合させる生き方の哲 学である。 オリンピズムはスポーツを文化、 教育と融合させ、 生き方の創造を探求するものである。 その生き方は~(省略)~普遍的で根本的な倫理規範の尊重を基盤とする。
2. オリンピズムの目的は、 人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、 人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。