2023年3月21日、東京・MIFA FootballPark豊洲LOVE KINGDOMで、「憧れのアスリートと過ごす夢の1日 DREAMファンミーティング」が開催されました。

『HEROs DREAM』は、アスリートとファンが気軽に参加できる寄付連動型プロジェクト。アスリートがファンに対して「特別な体験」を企画し、ファンは参加抽選券への申し込みを通じて寄付を行います。

今回は抽選に当選した一般参加者に加え、日本財団HEROsと繋がりのある各団体の協力を通じて障がいのあるお子さん、難病や車いすのお子さんを招待。アスリートたちとの交流を楽しみました。

多くのトップアスリートとの夢のような時間を通じて、イベントの参加者やアスリートたちはどのように感じたのでしょうか。

『憧れのアスリートと過ごす夢の1日 DREAMファンミーティング』の様子を、参加者とアスリートの声を合わせて紹介します。

総勢25名のトップアスリートがMIFA FootballPark豊洲へ集結

「スポーツと遊びと音楽で社会貢献の輪を広げ楽しむ」が体験できる夢の1日。

夢の1日はアスリートと参加者が交流するスポーツアクティビティとバーベキュー、そしてGAKU-MCさんによる音楽ライブです。全員でウォーミングアップをして、サッカーとラグビーそれぞれのアクティビティに取り組みました。

アクティビティの内容は、サッカーは橋本英郎さん、ラグビーは五郎丸歩さんが企画。ラグビーのアクティビティではタックルの代わりに腰につけた紐を取り合うなど、競技未経験者や車いすの子どもたちでも楽しめるように工夫された内容となっており、参加者はアスリートと共に汗を流しました。そのほかにも、サッカーのボール回しやロングパス、ラグビーのラインアウトなど、トップアスリートによるエキシビションも行われ、会場からは大きな歓声が上がりました。

後半は隣のLOVE KINGDOMへ会場を移し、メンバーとバーベキューとGAKU-MCさんによるライブ音楽。憧れの選手と同じテーブルで、アスリートや参加者の方々との交流、豪華抽選会や音楽を楽しみました。

サッカーアスリート

橋本英郎さん

巻誠一郎さん

佐藤勇人さん

加地亮さん

播戸竜二さん

玉田圭司さん

田中祐介さん

近藤直也さん

坪井慶介さん

波戸康広さん

ラグビーアスリート

五郎丸歩さん

大野均さん

大西将太郎さん

藤井淳さん

オトナタニエラさん

吉田朋生さん

畠山健介さん

参加したサポートアスリート

杉山美紗さん(アーティスティックスイミング)

中川真依さん(飛び込み) 

竹村幸さん(競泳)

笹原龍さん(テニス)

廣澤沙綾さん(水上スキー)

久光邦明さん(フットサル)

杉本一樹さん(空手)

関根明子さん(トライアスロン)

会場の至るところでは、アスリートが積極的に参加者と交流し、双方に笑顔がこぼれてたことが印象的です。普段触れ合うことのできない難病の子どもたちや障がいを持つ子どもたちと接することで、感じたものもあったようです。

「皆さんに頑張ってもらえたらと思い参加しましたが、私が一番楽しんでいますね。手話を教えてもらったり、車いすの子にこうしてくれたら嬉しいよ、と教えてもらったりして。私が与えるというよりは、与えてもらうことの方が多くありました。こういった活動があることを知らないアスリートもたくさんいるので、仲間にも伝え、みんなで一緒に楽しみながら、アスリートが毎日練習することが当たり前のように、自然な形で社会貢献活動を行っていけたらいいなと思います」

と、杉山さんは話してくれました。

ドリブルをしてマーカーコーンの上にボールを乗せるゲームを行なった際、積極的に車椅子の参加者とコミュニケーションをとった坪井さんは熱を込めてこう口にします。

「僕たちはサッカーしかしてきませんでしたが、そのサッカーを活かしながら、子どもたちを笑顔にできることもたくさんあると思っていますし、大事なのは僕たち自身が楽しんでやること。それが子どもにも伝わりますからね。子どもの笑顔は宝です。スポーツの素晴らしいところは、家庭環境、車いす、耳が聞こえないなど、そういったことは関係ないということ。スポーツの力を再確認できました。自分が何より楽しいし、エネルギーをもらっているので、活動という風には思っていないですね。何よりも大好きなスポーツ、サッカーを通じてというのは最高じゃないですか。今後も続けていきたいですね」

子どもたちの様子を伺い、優しく声を掛ける姿が印象的だったのは、加地亮さん。

「子どもたちは夢や目標を持つことでいろいろな可能性、今後の世界が広がります。アスリートと一緒になって楽しみながら、夢を持ってもらえればいいですし、そういったことを間近で感じてもらいたかったので参加しました。これからも何か感じてもらえるように、サッカーやそれ以外のスポーツを通じて発信するという熱い思いは持っていたいと思います」と話してくれました。

スポーツアクティビティの最後に行なわれた「4方向綱引き」

参加者とアスリートの距離がBBQで縮まる

スポーツで汗をかいたあとのバーベキューでは、どこのテーブルでもアスリートが率先して肉や野菜を焼いている姿が印象的でした。

家族で参加しているという男性は、「息子がサッカーをやっているので、プロ選手に近い距離で会えたらと思って応募したのですが、予想以上に近くて驚きました。みんなまさにテレビで観ていた選手たちです。本当に楽しいです」と感動。また、野球が大好きだという男の子は、「これまでラグビーやサッカーをやったことがなかった。新しいスポーツが体験できてよかったです。プロの人たちと会えたり、交流できたりするのが貴重で、いい体験ができたと思っています」と、新たなスポーツの面白さを再発見する貴重な機会となったようでした。

BBQ会場では、豪華プレゼントが当たるじゃんけん大会も開催され、アスリートたちが用意してくれたプレゼントに参加者は大興奮。現役時代に使っていたもの、引退試合で配られた品など、ファンにはたまらないものばかり。プレゼントが紹介されると、会場のあちらこちらから「すごい!」「欲しい!」との声が上がりました。

大西さんからのプレゼントを獲得した男の子も、この満面の笑み
佐藤勇人さんは、イベントで着用したユニフォームをプレゼント
橋本さんは自ら参加アスリートのサインを集めていました
サインに応じる五郎丸さん

会場内で、多くの人が挑戦していたボッチャのコーナーで子どもたち積極的に遊んでいた大西さんは、多くの参加者が楽しむことができ、なおかつ社会貢献に繋がる今回のようにイベントは『単発』で終わらせるのではなく『継続性』が大事だと言います。そして、課題である認知拡大の点についても言及。「もっと広く認知してもらい、参加者が増えるようにも働きかけなければいけないですし、継続することで更に認知してもらえるということもあると思います」

声出しライブで参加者全員が一つに。

イベント終盤のGAKU-MCさんによる生ライブでは、音楽を通じて会場が一つに。GAKU-さんは、東日本大震災をきっかけに、様々なボランティア活動、復興活動に従事し、自身でもキャンドルと音楽で日本を元気にするための音楽活動「アカリトライブ」を開催されています。

コロナ禍でスポーツの応援でも、ライブでも長らく、声を出すことができませんでした。『声のあるライブ』は久しぶりだったというGAKUさん。

「いいことがある日もあれば、そうでない日もあります。そうでない日があるからこそ、いい日が素晴らしくなる」という想いを込めた曲『ついてない1日の終わりに』では、事前にGAKUさんのレクチャーを受けた参加者たちも共に声を出して盛り上がりました。

会場に集まった多くの子どもたちに向けて披露したのは『夢の叶え方』という曲でした。今回のイベントには、難聴の子どもたちを支援する団体「陽けたら海へ」の代表・堀由美恵さんと共に、耳の聞こえない子どもたちも参加。最初は「歌詞が分からないから」と遠慮がちでしたが、少しずつ身体でリズムを取りはじめるように。音楽の力によって、その空間にいたすべての人がひとつになって楽しんでいました。

「流れ星が流れたらなりたいものを3回言う。僕の場合はラッパーだから、ラッパー、ラッパー、ラッパーと言っていました。ここにいるサッカー選手、ラグビー選手も同じように言っていたはず。口に出して言うことが大事。僕はラッパーになるという夢を叶えましたが、次は皆さんの番です。絶対言うんだよ。まずは口に出す、考えること。それが重要だよ」

GAKUさんのこの言葉が胸に刺さったお子さんも多かったのではないでしょうか。

「大きな夢を叶えられる、そんな希望を感じてもらえる時間になったら」

そして、予定されていた全てのプログラムが終了。アスリートを代表して4名からメッセージが送られました。

「準備をしているときは不安もありましたが、皆さんが参加してポジティブに動いてくれましたし、実際に声を上げて楽しんでいただけたので嬉しかったです。色々な立場の方がいらっしゃいます。それが障がいという発想ではなく、それぞれが苦手なことを埋め合うという形で、みんなで協力しあえば同じことができることを実感できました」(橋本さん)

「初めてHEORsのイベントに参加させていただきました。朝9時から始まって、夕方5時までと結構長いので、大丈夫なのかな?と思っていたのですが、逆に時間が足りないくらい楽しい時間でした。皆さんもそうだったと思います。顔を見ればわかります。一人ひとり何かを感じたと思います。これからこうなりたいとかこんなことをやってみたいというものができたと思うので、それにチャレンジしていって欲しいなと思います」(玉田さん)

「この1日でとても貴重な経験をさせていただきました。サッカーをやったり、ラグビーをやったり、綱引きをやったり。そしてライブまで聞けるなんて、なかなかこんな会はないですよね。非常に楽しいひと時を過ごせたと思います。なかなか子どもたちもスポーツやったり、バーベキューをやったり、ましてやトップアスリートに教えてもらえるという機会はないですからね。また、みなさんの大きな夢を叶えられる、そんな希望を感じてもらえる時間になったら良かったと思います」(五郎丸さん)

五郎丸さんは今後、自身がクラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)を務める静岡ブルーレブズの試合に障がいのある子どもたちを招待し、観戦ツアーを行なう予定とのこと。今回のイベントをきっかけにアスリートの活動が広がっています。

「車いすに乗っている子、耳が聞こえない子。色々な人がいると思います。僕はそういう人たちを知っていますが、世の中の人には知らない人もいる。知っていても知らないふりをする人もいます。だから、できないことがあるからって、家に閉じこもっていたら、世の中の人はみんなみたいな人がいることを知らないままです。外に出て助けてくださいと言ったら、誰かが手を差し伸べてくれます。みんなが勇気を持って外に出て、私は耳が聞こえないのでちょっと教えてくださいとやってくれないと、僕たちは気づけないんです。みんなはこれからの社会をよくするヒーローです。ヒーローは家にいちゃダメ。ヒーローは外に出てください。そして、大人が本気を出さないと、子どもたちはこれくらいでいいんだって思います。だから、大人も頑張りましょう」(畠山さん)

退場時は全アスリートで参加者の方をお見送り。

息子さんと一緒に参加されていた女性の方からは「息子が車いすに乗っているのでどうかなと思ってきたのですが、皆さんが本当に普通に自然体で息子に接してくれることが幸せだなと感じています。アスリートの方々も皆さん、本当に素晴らしい人たちだらけ」という感想をいただきました。

スポーツと音楽を通じて参加者全員が一つになり、たくさんの笑顔が生まれた1日。社会

貢献活動は決して難しいものでも、特別な人にしかできないものでもありません。だからこそ、大西さんの言葉にあった通り、継続していくことが鍵になります。

アスリートと共に社会貢献を身近なものにしていく、次回以降の企画もお楽しみください。