総合格闘技で活躍した大山峻護さんが2月24日、自身が代表を務める一般社団法人You-Do協会の発足を発表、障がい者への理解を進める勉強会を日本財団ビルで開いた。大山さんは、「障がいのある子どもたちがアスリートと一緒になって遊ぶことで、アスリートから得られる勇気を体感し、双方の心を豊かにする機会となる」と考えて、この会を立ち上げた。
発表には、障がい者支援に関わっている人やこうした活動に関心のあるアスリートなど約50人が参加。当初は障がいのある子どもたちとの交流会を企画していた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮して延期し、集まった人たちで勉強会を開いた。
障がい者支援に取り組むNPO法人の活動事例や障がい者自身の活動事例などが紹介され、会場の人たちは真剣に耳を傾けた。
終了後、参加者からは、「世の中にどのように役に立てるのか考えていきたい」「障がい者との接し方が分からなかったが、とても勉強になった」との声が聞かれ、次回が楽しみと話す人もいた。
「アスリートの力が世の中を変える」のメッセージで社会貢献活動を決意
大山さんがこうした活動に進むきっかけとなったのは、昨年12月に開催された「HEROs AWARD2019」である。HEROs AWARDは日本財団がスポーツの力を活用した社会貢献活動を表彰する場で、数多くの現役アスリートや元アスリートが参画、その年の目立った社会貢献活動を表彰する会である。初めて出席した大山さんは、アスリートたちがいろいろな社会貢献活動に取り組んでいることを知った。
受賞者たちが次々とあいさつする中で、特別賞を受けた日本オリンピック委員会会長で全日本柔道連盟会長の山下泰裕さんの言葉に胸を打たれた。山下さんの「アスリートの力はすごい。アスリートが社会貢献活動に関わることで世の中を変えることができる。自分はそれを信じている」という言葉に思わず涙がこぼれたという。
大山さんはその日から、「世の中のために自分は何ができるのか」を必死に考え、You-Do協会発足につなげていった。
大山さんはHEROs AWARDをきっかけにアスリートの社会貢献活動の意義を見出し、すぐに実行に移した。それはHEROsが理想とするアスリートの社会貢献の広がりを象徴している。こうした「ヒーローが増えていくこと」が、HEROsの願いでもある。
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