ハンドボール元日本代表主将・東俊介さんが石川県の少年院を訪問

■ハンドボールとの出会いが未来を変えた

ハンドボール元日本代表主将でHEROsアンバサダーの東俊介さんが10月18日、石川県にある少年院・湖南学院で講演会を行った。トップアスリートとして活躍した東さんだが、小学生の頃は身長170センチと体格に恵まれながらもスポーツは苦手だったそうだ。中学校に入ると部活動に入らなければならない。そこで、練習の少ない運動部として知られていたハンドボール部に入部。すると、その恵まれた体格を活かして隠れていた才能を発揮。運動が苦手だったとは思えない活躍ぶりで、次々と試合で勝ちあがり、金沢市内の一年生大会で準優勝。初めてスポーツで褒められたことをきっかけにハンドボールにのめりこむと、「ハンドボールで日本一の選手になる」という目標を宣言した。

その後も持ち前のポテンシャルと才能を発揮し、日本代表を狙える位置まで上り詰めた。ハンドボール世界大会の最終選考合宿で落選し、厳しい挫折を経験した。しかし、再度巡ってきたチャンスで日本代表という夢をつかんだ。技術面はもちろん、どんな時も周囲に思いやりを持って接する姿も監督から評価されたという。

■夢を言葉にすることで、今と未来を変えていく

東さんは、在院生に夢や目標を聞いた。

「家庭を持ち幸せな人生を歩みたいが、非行をしてきたから僕には難しい夢。」
「あこがれる人がいて、その人みたいなカッコイイ大人になりたい。」

在院生の言葉を聞き、「夢を言葉にすると応援してくれる誰かが現れる。過去は変えられないが今と未来は変えられる。」と伝えた。現役時代に「ハンドボールで日本一になる」ことを周りに宣言し、数々の挫折を乗り越えて夢を叶えた本人だからこそ自信を持って言える言葉だ。
最後に、「ハンドボールをメジャースポーツにする」という新たな夢を在院生の前で宣言し、「道は険しいが一人じゃない。笑顔を忘れずお互いがんばろう。」と熱いエールを送った。

湖南学院に贈ったTシャツ。サインの隣には東さんの座右の銘「道険笑歩」が添えられている。