アスリートが実現する、長期療養中の子どもと家族の夏一番の青春

2019年8月8日(木)、NPO法人Being ALIVE Japan(以下、Being ALIVE Japan)が主催する「TEAMMATES スポーツ祭・ドラフト祭2019」が日本財団パラアリーナ(東京都品川区)で開催された。

本イベントでは、競技の第一線で活躍する現役アスリートや引退したアスリート、スポーツ部所属の大学生が集まり、小児がんや難病で長期療養中の子どもたちやその兄妹と、バレーボール、ハンドボール、ラグビー、アルティメット、サッカー、テニス、野球など様々なスポーツで交流した。電動車いすに乗った子どもたちは、家族や参加者にサポートされながらボールを投げ、笑顔溢れる表情が印象的だった。

長期療養を必要とする子どもたちは普段スポーツに触れる機会が少なく、彼/彼女らの兄妹も思いっきりスポーツがしたくてもできない環境もあるのが現状だ。長期療養中の兄妹を持つ子たちは、最後の最後まで楽しんでいた姿が印象的だった。

▼参加アスリート

田渡凌選手(バスケットボール、横浜ビー・コルセアーズ所属)、辻直人選手(バスケットボール、川崎ブレイブサンダース所属)、井上真弥選手(プロビーチバレー)、堀江航選手(パラアイスホッケー、パラカヌー、車いすバスケットボール)、原田季郎選手(ラグビー、キヤノンイーグルス所属)、新名亮介選手(ハンドボール、東京トライスターズ所属)、中野源一選手(アルティメット)、花岡伸和さん(パラ陸上競技車いすマラソン)、矢嶋志穂さん(パラスイム)、國學院大學体育連名会軟式テニス部、慶應義塾大学野球部

車いすでキャッチボールに参加する子どもの様子
アスリートと一緒にフリスビーに挑戦する子どもたちの様子

本イベントの主催団体であるNPO法人Being ALIVE Japanとは

Being ALIVE Japanは、スポーツを通じて、長期療養を必要とする子どもたちとその家族のコミュニティを創出し、最高の青春の実現と子どもたちの自立支援を目的とし2009年より活動している団体である。(2016年法人化)

本団体の理事長を務める北野華子さん自身も、幼少・学童期の15年間長期療養生活を送った経験がある。療養中は、同世代と同様に青春を楽しむことができず、様々な経験を諦めなければならず悔しい思いをされたそうだ。数ヶ月、数年と長い治療生活を送る子どもたちは全国に約25万人いる。治療で長期療養を必要とする子どもたちやその兄妹の「青春」を諦めさせない、彼/彼女らの「青春」を最大限輝かせるため、Being ALIVE Japanは活動している。

活動は、本イベントのように退院後も継続的な治療・療養を必要とする子どもたちが同世代の友人や兄妹と一緒にスポーツを楽しむ機会を提供する「IN COMMUNITY地域プログラム」、プロ・社会人・大学生アスリートやスポーツチームと一緒に病院を訪問し、入院中の子どもたちとスポーツ活動を一緒にする「IN HOSPITAL病院プログラム」、長期療養を必要とする子どもが4-6ヶ月間プロスポーツチームに実際に入団し、練習や試合等のチーム活動に参加する「TEAMMATES入団プログラム」と多岐に渡る。

Being ALIVE Japanの活動は、スポーツの力を活用して社会貢献活動に取り組むNPO法人のロールモデルとして高く評価され、HEROs AWARD 2018において最優秀賞にあたるHEROs of the yearを受賞した。

現役バスケットボール選手の田渡 凌さんからパスを受けてシュートに挑む様子
アスリートとスポーツ交流が終わった後も笑顔が絶えない子どもたちの様子