世の中の固定概念を変えるには?HEROsアンバサダー上原大祐
⽣まれながら障がいを持ち、19歳でパラアイスホッケーと出会った上原⽒。2006年トリノ、2010年バンクーバー、2018年平昌に日本代表としてパラリンピックに出場し、バンクーバーでは銀メダルを獲得した。引退後「NPO法⼈D-SHiPS32」を設⽴し、HEROsアンバサダーとしても意欲的に社会貢献活動をする上原⽒の原動力に切り込んだ。
■世の中の固定概念は「知る」が足りないから起きている
「⾞いすはタイヤの痕がつくから」という理由で体育館を借りれないことがある。しかし、痕がつかない⾞いすタイヤだって発売されている。そもそも健常者が使⽤して付くシューズ痕と何が違うのだろう。⾞いすでの使⽤は何かダメそうだというイメージ先行の中で物事が決められてしまう。事実を知っていればそのようなことは起きないのではないだろうか。固定概念は「知る」機会が⾜りないから⽣まれていると上原⽒は指摘する。⽇本において、この固定概念によって多くの障がい者がチャンスを奪われていると⽇々感じているそうだ。
■我が子にすら「知る」が足りない親たち
「障がいを持つ⼦どもの親は、無意識に我が⼦へ過保護になってしまい、結果的にその⼦のチャンスを奪ってしまっている。」と特別⽀援学校での出来事を語る上原⽒。電動⾞いすに乗る⾼校3年生の⽣徒に競技⽤⾞いすを薦めたところ、すかさず⺟親が「うちの⼦はできないんです」と⼝を挟んだ。しかし、挑戦させてみると、その⽣徒は⾒事に⾞いすを操ってみせた。⺟親も学校にいた約120名の教員もこの事実を知らなかった、という事実に「⾮常にもったいない」と上原⽒は熱く語った。
■「知る」を届ける活動「NPO法人D-SHiPS32」
「⼦どもたちに挑戦する機会を与え、うちの⼦も出来るんだと親に気づいてもらう。⾃信を持った⼦どもたちを⾒て親は安堵し笑顔になる。もちろん⼦どもたちも笑顔になる。そういう機会をウチ( NPO法⼈D-SHiPS32 )は届けているんです」と語る。健常者も障がい者も同じように⾃分のやりたいことを⾒つけて、当たり前のことが当たり前にできる社会にしていきたいと熱い想いを語った。
■HEROsという可能性
社会へ与えるインパクトという視点で、HEROsは競技の垣根を超えたアスリート同士の連携を可能にしている。1人でできることは限られているため、HEROsには非常に可能性を感じると上原氏は言う。今後も「知る」を届け、社会の固定概念を変えていくための様々な活動を計画しているようだ。
■NPO法⼈D-SHiPS32
https://www.d-ships32.com/