サッカーJリーグの浦和レッドダイヤモンズはさいたま市をホームタウンとするプロサッカークラブだ。
2019年4月、この浦和レッズが運営する「浦和レッズハートフルクラブ」が、タイにあるHIV/エイズに感染した孤児たちの生活施設「バーンロムサイ」を訪れ、
地域のこどもたちも招いたハートフルサッカーin ASIAを開催した。
浦和レッズハートフルクラブはサッカーを通じ、子どもたちに「おもいやり」「楽しむ」「一生懸命」の3つの「こころ」を伝える活動をホームタウンを中心に行っているが、
ACLへの出場を契機に、アジアの国々の子どもたちにサッカーを通してスポーツの楽しさを届けるため「ハートフルサッカー in ASIA」を実施している。
この活動では、タイ、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、ブータンなど過去10年間で延べ27か国40都市以上を訪問し、8000人以上の子どもたちと「こころの交流」を行ってきた。
2008年、ハートフルクラブがタイ・チェンマイを訪問した際に、日本人の女性が経営している孤児院を紹介された。
「バーンロムサイ」というHIV孤児たちの生活施設で、2歳から18歳までの子どもたちが暮らしていた。
当時はHIV/AIDSへの偏見や差別も今以上に強く、施設と周辺の村(ナンプラー村)との交流は全くなく、地域から完全に孤立している状態であったという。
そこで、ハートフルクラブはグラウンドを借りて、バーンロムサイの子供たちにサッカーを教えることとなった。
ご承知のとおり、タイのサッカー人気は非常に高い。
そこに日本を代表するサッカークラブである浦和レッズが来る、ということで村の子どもたちもグラウンドに集まってきた。
無論、大人たちは孤児院の子どもたちとの交流を心配したが、ハートフルクラブのコーチたちが「バーンロムサイ」の子どもたとあたりまえのように触れ合う姿をみて、施設と村の人たちの交流が始まった。
サッカーというスポーツが、HIVへの誤った理解の垣根を取り払ったのだ。
翌年には孤児院と村の子どもたち合同の「ロムサイFC」というサッカーチームも誕生し市の大会にも参加するようになった。
スポーツの力で偏見や差別を払拭したこの活動は、HEROs AWARD 2018を受賞。今回のバーンロムサイ訪問は、子どもたちとのサッカー交流と、HEROs AWARD受賞の報告が目的だ。
バーンロムサイの子どもたちと村の子どもたち計38名がハートフルサッカーに参加。ハートフルクラブの目指す「おもいやりの心」、「楽しむこころ」、
「一生懸命にやるこころ」を大切に、サッカー交流を行った。
サッカーでは仲間同士、水のボトルを回すボトルスクイーズを行うが、施設の子どもも、村の子どもも関係なくボトルスクイーズする様子から、地域住民の偏見が払拭されていることも改めて確認できた。
サッカーの力、スポーツの力は競技場の中だけで発揮されるものではないことを改めて感じたタイ訪問となった。
浦和レッズハートフルクラブは、「ハートフルサッカー in ASIA」を、タイ、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、ブータンなど過去10年間で延べ27か国40都市以上を訪問し、8000人以上の子どもたちと「こころの交流」を行っている。
ハートフルサッカー in ASIA 2019の様子はInstagramでもご覧いただけます。
日本財団 HEROs Instagram
子どもたちが笑顔でサッカーに取り組む様子を是非ご覧ください!