HEROs Sportsmanship for the future

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2019/12/26

HEROs of the year 決定の瞬間

HEROs of the year 決定の瞬間

2019年12月9日(月)に3度目となるHEROs AWARD 2019が開催された。HEROs AWARD2019の受賞者の中から選ばれる最優秀賞の「HEROs of the year」は、サッカー元日本代表の北澤豪氏が会長を務める一般社団法人日本障がい者サッカー連盟が受賞。

スポーツを通じて社会貢献活動を行うアスリートや団体を表彰するHEROs AWARDの最優秀賞「HEROs of the year」は、6月に行われたHEROs AWARD審査委員会で選考された活動の中から、表彰式当日に最終審査委員会にて決定された。

なお、HEROs of the yearの決定は、以下3つの選考基準をもとに最終審査された。 ①社会課題の改善にスポーツの力が効果的に活かされているか。 ②スポーツの力がもつ可能性を感じさせるか。 ③ビジョンの実現や活動の推進に対する意志の強さを感じさせるか。

審査委員会1

HEROs AWARD審査委員のメンバーは、宇賀康之さん(Number編集長)、笹川順平(日本財団常務理事)、中井美穂さん(アナウンサー)、中江有里さん(女優・作家)、藤沢久美さん(シンクタンク・ソフィアバンク代表)、松田裕雄さん(株式会社Waisportsジャパン代表取締役)、間野義之さん(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)の7人(五十音順)

事前審査で選出された「HEROs AWARD」は、以下の4つの活動

①男性部門:「YOUR ACTION KUMAMOTO」 巻 誠一郎氏(サッカー)
②女性部門:「紛争地帯におけるスポーツ支援」 井本 直歩子(水泳)
③チーム部門:「障がい者サッカーの普及、発展」 日本障がい者サッカー連盟
④NPO・団体部門:「スポーツメンタリングプログラム」 Sport For Smile

スポーツの可能性を広げる社会貢献活動のロールモデルとは?

まず始めに審査委員長の間野氏より、「事前審査の点数に捉われず、改めて4組の活動について公平に審査したい」と延べ、最終審査委員会が始まった。

最初に候補として挙がったのは、巻氏と井本氏の活動についてだった。宇賀委員は、「井本氏は候補の中でも着実に実績を積んでいる」と、現在はユニセフ職員としてギリシャの難民支援活動の最前線で活躍している実績を高く評価。続いて、中江委員も井本氏の実績を評価しつつ、「巻氏の活動は災害が多い日本において、アスリートが今度は自分が、と思えるロールモデルになれる」と、巻氏の地元で起きた熊本地震の被災地支援活動について高く評価した。

一方、中井委員は元Jリーガーの北澤豪会長が率いる日本障がい者サッカー連盟の活動について「7つの障がい者サッカー団体が分離している問題を追及し、健常者と一緒になって活動している点がダイバーシティの面で素晴らしい」と、高く評価した。

また、藤沢委員はHEROs of the yearの審査基準の観点から「日本障がい者サッカー連盟は3つの審査基準を網羅しているように思う。会長の北澤氏の熱意もあり、この活動を通じて障がい者サッカーが盛り上がり、認知が高まることでパラリンピックの機運も拡がっていくことが期待される。Sport for Smileの活動もドメッスティックバイオレンスという一見スポーツとは縁遠い社会課題への取り組みであり、スポーツの可能性を広げる観点から、とても素晴らしい活動である」と、評価した。

候補4組とも甲乙付けがたく、HEROs of the yearの選出は難航した。 この時点で18時の終了時刻に近づいていたが、審査委員長の間野委員が15分延長することを決断。HERO AWARD開催ギリギリまで審査することに踏み切った。

決め手が見つからない中、委員たちは審査基準に示されている「スポーツの力」をどう捉えるかについて改めて着目した。 笹川委員は、「アスリートがもつ精神性は非常に素晴らしいが、どのようにスポーツ自体の力が社会貢献活動と関連しているかを見ていくことも重要だと思う。」と述べた。 続けて松田委員も、「どこにスポーツの力を見出すかによって見え方が変わる。その点、日本障害者サッカー連盟はサッカーの力を使うことで障がい者全員が受益者になれるところが素晴らしい。」と発言。 笹川委員、松田委員のスポーツの力を使った社会貢献の本質を捉えた発言によって審議は大きく動き始めた。

審査委員会2

「審査基準を重視するのであれば、巻さんか日本障がい者サッカー連盟だと思う」(宇賀委員)、「障がいの種類によらず、ひとつにまとまることができることを示す点ではロールモデルになる」(中井委員)「北澤さんのメッセージも強い想いが感じられてよかった。自分の気づき、違和感を原点にしている点もよい」(藤沢委員)「通常、団体が違えばそこに壁ができてしまうものだが、北澤氏というアスリートがリーダーシップを持って行動することで、ひとつにまとめた力は大きい」(間野委員)と、次々と意見が一致し、2019年のHEROs of the yearは全会一致で日本障がい者サッカー連盟に決定した。

甲乙付けがたい優秀な活動の中で、大賞を決めなくてはならない難い審査であった。スポーツを活用したアスリート・団体の意識が高まり、社会貢献活動の質が高いレベルになっている証拠ともいえる。 まさに「スポーツが社会に与える影響力」について、白熱した議論を展開したスリリングな審査委員会となった。

■HEROs of the year■ 日本障がい者サッカー連盟(JIFF) 広くサッカーを通じて、障がいの有無に関わらず、誰もがスポーツの価値を享受し、一人ひとりの個性が尊重される活力ある共生社会の創造に貢献すること バラバラであった7つの障がい者サッカー団体を1つにまとめ、健常者と障がい者がサッカーを通じて交流する「インクルーシブフットボールフェスタ」「まぜこぜスマイルサッカー」を実施。障がいの有無や種別などさまざまな“違い”を超え、同じピッチで一緒にサッカーを楽しむ環境づくりに取り組んでいる。

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