HEROs AWARD 2017表彰式 鳥谷敬さんらにアスリート部門賞
アスリートの社会貢献活動を推進するため、日本財団が設立した「HEROs Sportsmanship for the future」(略称・HEROs)の柱であるHEROs AWARD 2017の表彰式が12月11日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われた。元サッカー日本代表の宮本恒靖さん(40)がHEROs of the year(副賞500万円)を受賞、プロ野球の鳥谷敬さん(36)ら3人がアスリート部門のHEROs賞(同100万円)を受けた。
表彰式は午後6時半から開かれ、この企画の提案者である中田英寿さん(サッカー)、井上康生さん(柔道)、萩原智子さん(水泳)らHEROsアンバサダー13人が出席。また、元SMAPの香取慎吾さんら審査員7人も出席した。
HEROs賞を受けたのは、アスリート部門のアンジェラ・磨紀・バーノンさん(37)=サーフィン▽宮本恒靖さん=サッカー▽鳥谷敬さん=野球▽坂本博之さん(46)=ボクシング、チーム・リーグ部門の福島ユナイテッドFC=サッカー、NP0部門の一般社団法人世界ゆるスポーツ協会の計4人、2団体。
この中から宮本さんがHEROs of the yearを受賞した。笹川陽平・日本財団会長からトロフィーを受けた宮本さんは「光栄です。スポーツには力がある。それを活かして、影響力のあるアスリートがどんどん社会貢献をしてほしい」と、受賞の喜びを述べた。
笹川会長は「本当におめでとう。これからアスリートの皆さんが、あなたを目標にして社会貢献活動をしていただきたい」と呼びかけた。
宮本さんは10歳から本格的にサッカーをはじめ、1995年からガンバ大阪で活躍。2007年からオーストリア1部リーグで2年間プレーした後、ヴィッセル神戸に加入。日本代表では各世代でキャプテンを務め、2011年に現役を引退した。2014年にボスニア・ヘルツェゴビナのモスタル市でスポーツアカデミー「マリモスト」を設立、小中学生を対象にサッカーを教えながら現地住民が安心して交流できる場を提供している。
鳥谷さんは2003年のドラフト会議で阪神に入団、内野手として活躍し、ベストナイン6回、ゴールデングラブ賞を4回受賞した。2014年、フィリピンで野球教室を開いた際、スモーキーマウンテンで裸足の子どもを見て衝撃を受け、翌年4月、自ら理事として一般社団法人レッドバードを設立。ファンに対して靴の寄付を呼びかけ、集まった靴をフィリピン中心に東南アジアへ自ら持参し、子どもたちに手渡している。これまでに寄付した靴は1万8000足にのぼる。
バーノンさんは日本人の母とアメリカ人の父との間に生まれた。18歳まで日本で育ち、その後ハワイに移住した。プロサーファーになる一方、モデルやパーソナリティとしても活動している。2005年にNPO法人Ocean’s Loveを立ち上げ、知的障害のある子どものサーフィンスクールや健常者対象のノーマラゼーション研修を行っている。
坂本さんは幼少時に両親が離婚、親類に預けられたが、ひどい虐待に遭い、弟と一緒に児童養護施設に。テレビでボクシングを見たのがきっかけで、プロボクシングの世界に入った。パワーのあるパンチで日本ライト級、東洋太平洋ライト級王座を獲得。2007年、引退してボクシングジムを開設した。その一方、2000年に「こころの青空基金」プロジェクトを立ち上げ、全国の児童養護施設を訪問し、ボクシングを通じた交流を行っている。
福島ユナイテッドFCは、福島市・会津若松市をホームタウンとするJリーグ加盟のサッカークラブ。2014年から、福島県の農家から直接農作物を仕入れ、アウェイの試合で販売するなど、風評被害払拭活動「ふくしマルシェ」に取り組んでいる。
また、世界ゆるスポーツ協会は、クリエーターの澤田智洋さん(36)が代表を務め、社会課題を「ゆるスポーツ」で解決しようという試み。2015年から活動をはじめ、高齢者に人気の「トントンボイス相撲」や、モバイル世代の若者のための「スマ引き」を発明し、笑いと元気を広めている。
審査員の香取さんからトロフィーを受けた澤田さんは「私は運動が苦手なので、スポーツの賞をいただいてびっくりしている。私のように足の遅い人でもできるスポーツを考え、本気で世界平和に貢献していこうと思っています」と、抱負を語っていた。
香取さんも「私も運動が苦手です。今踊れなくなって運動不足なので、ゆるスポーツから始めたい」と話し、笑いを誘っていた。
「日本財団ブログ『みんながみんなを支える社会』に向けて」より転載